ツェッテルカステンというメモ術をご紹介します。
ツェッテルカステンとは
ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが使っていた方法と言われています。 元はアナログな方法ですが、現在ではデジタルに行うための様々なツールが開発されています。
ツェッテルカステンとは英語でスリップボックス、日本語でいうと伝票箱のような意味です。 情報をカードに記載して、それを整理して箱に収めることで情報管理します。
ツェッテルカステンのメモの種類
書籍「TAKE NOTES!」に記載されていたメモの種類です。
走り書きのメモ
思いついたら書くものです。後で捨てます。 後で捨てますが、メモを取らないと忘れてしまうので、まずメモをするのが大事です。
メモを取るということ - HAROLABO Tech Blog
永久保存版のメモ
番号を振ったメモです。 すでにあるメモとの関連性を考えながら書きます。 タグに相当するようなキーワードもつけます。 他のメモの番号を付加することで、メモ同士にリンクを貼ります。
整理されたメモであり、SECIモデルでいうところの形式知化されたメモといえます。 このメモは同じ形式で同じ場所に保存する必要があります。
文献メモ
本に書かかれていたことを自分の言葉にして書きます。 対応するメモの番号を書きます。 書誌情報も書いておきます。
索引のメモ
キーワードを箇条書きにしてまとめたものです。 対応するメモの番号も書きますが、一部のメモが分かれば他のメモに辿れるため、最小限の番号を記載すればOKです。
デジタルツールを使う場合、この情報は自動で作成できるかもしれません。
プロジェクトのメモ
プロジェクトはボックスとして用意します。 その中に、プロジェクトの構成、リマインダー、ToDoリスト、プロジェクトの原稿などを入れます。
このメモにはプロジェクト管理のための情報や、中間成果物などが該当するでしょう。
ツェッテルカステンで重要なこと
- 書くことではなく書かれたものが大事
- 自分の言葉で書く
- 重要なメモとそうでないメモを区別する
- メモ同士のつながりを意識する
ツェッテルカステンが実践できるツール
普通のメモアプリでもツェッテルカステンを実践することは可能ですが、ツェッテルカステンが意識されたプロダクトを使うと、より快適に実践できると思います。
obsidian.md Zettelkastenプレフィクサーという機能でIDを自動で振ることができます。
roamresearch.com メモ間のリンクを簡単につくれます。
scrapbox.io Scrapboxでは書いたメモに関連するキーワードに紐づくメモが自動で表示されます。
projmo.com
走り書きのメモを"メモ機能"で書き、プロジェクトごとのボックスで、走り書きのメモを見ながら永久保存版のメモや文献メモなどを書けます。
キーワードをタグで管理できます。
オリジナルのツェッテルカステン
実際にどのように書くのか知るために、オリジナルのツェッテルカステンを見たいところですが、以下の記事によると見ることはできないとのことです。
こちらのスレッドに画像がありますが、ルーマンのものかは分かりません。
社会学者だったニクラス・ルーマン。40年間、400報の論文と60冊を超える膨大な執筆を可能にしたのが自ら考案したカードボックス法(Zettelkasten)。画期的だったのは単純な知のデータベース化ではなく、カード同士に関連性を持たせ、過去の知見が新たな知識を呼んでくるような仕組みを作ったこと。 https://t.co/C9c1U2k7Vo
— sangmin.eth @ChoimiraiSchool (@gijigae) 2020年4月2日