有名なマーケティング戦略のフレームワークをいくつかご紹介します。
コトラーの競争地位戦略
業界の立ち位置ごとの戦略を示したものです。
リーダー
トップシェアを誇る唯一の企業です。
チャレンジャー
リーダーに戦いを挑んでいる企業群です。
フォロワー
リーダーを真似しながら追いかけている企業群です。
ニッチャー
小規模な市場でトップを目指す企業群です。
マイケル・ポーターの競争優位の戦略
競争優位性を確保するための戦略です。
コストリーダーシップ戦略
ライバルよりかかるコストを下げる戦略です。 価格競争になるリスクがあります。 主にリーダー企業が実施します。
差別化戦略
ライバルとの差異をつける戦略です。 模倣されるリスクがあります。 マーケットが存在しないリスクがあります。 主にリーダー企業以外が実施します。
集中戦略
ターゲットを限定する戦略です。 市場が小さすぎるリスクがあります。 主にニッチャー企業が実施します。
ランチェスター戦略
ランチェスター戦略は、第一次世界大戦で考案されたランチェスター法則を元にしたマーケティング戦略です。 マーケットを戦場と見立て、自社と競合でシェアを争う場合にどう戦えばよいかを示したものです。
市場シェアの目標値
ランチェスター戦略で重要なのは市場シェアです。 市場シェア1位を強者、それ以外を弱者といいます。 市場シェア1位とは、2位との差が√3倍、1.7倍以上ある場合をいいます。 ニッチャーについては、一人当たりの営業利益率が3倍必要だと言われています。
市場シェアには7つのシンボル目標値があります。
数値 | 名称 | 意味 |
---|---|---|
74% | 上限目標値 | 絶対的に安全 |
42% | 安定目標値 | 首位独走の条件 |
26% | 下限目標値 | 強者の最低条件 |
19% | 上位目標値 | 1位の射程圏内 |
11% | 影響目標値 | 黒字・赤字、有名・無名の分岐点 |
7% | 存在目標値 | カバー率の基準 |
3% | 拠点目標値 | 市場参入の基準 |
弱者がとるべき戦法
ランチェスター戦略は、特に弱者が参考にすべき戦略です。 そこでいわれている戦法には以下の5つがあります。
一点集中主義
広告などに強者の場合の3倍の量をかけます。 そうして、その商品・ターゲットのシェアを強者の1.7倍にします。 その分コストがかかるので、一点に集中しなければできません。
局地戦
地域を限定します。 限定された地域内でのトップシェアを狙います。
接近戦
顧客との関係性を強化します。 顧客とのコミュニケーションの量の優位性を築きます。
一騎打ち戦
競合数の少ない市場や顧客を重視します。
陽動戦
ライバルが嫌がること、面倒くさいことをやります。 個別カスタマイズなどです。