タスク管理をするとき、優先順位をつけますよね。 優先順位をつける手法を見ていきましょう。
優先順位をつける手法
優先順位をつける手法には、以下のようなものがあります。 目的に合わせて、よりよい手法を選択して優先順位をつけましょう。
手法 | 特徴 |
---|---|
MoSCoW分析 | 重要度の大きさで分類する |
アイゼンハワーマトリクス | 緊急度と重要度で分類する |
ABCDEメソッド | 1日のやるべきことを見つける |
ABC分析 | パレートの法則で重要なことを見つける |
狩野モデル | 品質で分類する |
MoSCoW分析
MoSCoW分析(モスクワ分析)はDai Clegg氏が考案されたとされる手法です。 優先度を「Must」「Should」「Could」「Won’t」の4段階に分類します。 頭文字を取るとMSCWですが、間のoは、Must or Should have, Could have, or Would/Wish (to)/Won't have.のorからとったとする説と、単語を発音しやすくするために入れた説などがあります。
Must
Mustはその意味の通り、必ず実施しなければならないことです。
Should
Shouldはやるべきことです。 通常、強い要求がないものはShouldになるかと思います。
Could
Couldはできればやりたいことです。 手が空いたらやるくらいの感じですね。
Won’t
Won’tは今はやらないことです。 忘れないようにメモしておくくらいの意味です。
アイゼンハワーマトリクス
アイゼンハワーマトリクスは、アイゼンハワー大統領が活用していたとされる手法です。 4象限の図を用いて、緊急度と重要度が高いタスクと低いタスクを分類し、以下の優先順位をつける方法です。
- 緊急度:高かつ重要度:高
- 緊急度:低かつ重要度:高
- 緊急度:高かつ重要度:低
- 緊急度:低かつ重要度:低
緊急度
すぐやる必要があるか、あとでよいのか、という分類です。
重要度
価値があるのか、そうでないのか、という分類です。 MoSCoW分析の分類で詳細化できるでしょう。
ABCDEメソッド
ブライアン・トレーシー氏が考案したとされる手法です。 一日の初めに優先順位づけを行ないます。 その後、ABCDと順番にタスクを実施し、上の優先順位の作業が完了するまで、下の優先順位の作業を実施しないようにします。
Aのタスク
自分がしないといけないタスクのうち、失敗すると重大な結果が生じるもの(あるいは成功すると大きな成果が得られるもの)。
Bのタスク
自分がしないといけないタスクのうち、Aほどではないもの。
Cのタスク
やらなくても困るわけではないものの、やっておいたほうがいいタスク。
Dのタスク
誰かに任せられるタスク。
Eのタスク
やらなくていいタスク。
ABC分析
各タスクに重要度の観点からABCの優先順位をつけるやり方です。 重要度はパレートの法則に基づいて決めます。 パレートの法則(80:20の法則、8:2の法則)は、全体の8割の価値は、全体の2割の要素が生み出しているというもので、重要な要素を特定するときに用いる考え方です。 在庫管理などでよく用いられます。
Aのタスク
価値の8割を創出するもの。 多くの在庫を持たないといけないもの。
Bのタスク
あったほうがいいもの。 ある程度の在庫があればいいもの。
Cのタスク
なくてもいいもの。 在庫を持たなくていいもの。
狩野モデル
Kano Modelとして知られている狩野紀昭氏が提唱したモデルです。 品質の分類ですが、優先順位にも適用できます。
当たり前品質
あって当たり前だが、なければ不満となるもの。
一元的品質
あれば満足だが、なければ不満となるもの。
魅力品質
あれば満足だが、なくても仕方がないもの。
無関心品質
あってもなくても、満足でも不満でもないもの。
逆品質
あると不満となり、ないと満足となるもの。