プロジェクト計画書とは、プロジェクトを計画するときに作成するドキュメントです。 プロジェクトマネジメント計画書、プロジェクト管理計画書とも呼ばれます。
プロジェクト計画書は、プロジェクトの成功方法を書いたもの
プロジェクトを成功させるために、計画を立ててコントロールすることがプロジェクト管理です。 このうち、計画を担うのがプロジェクト計画書です。 簡単に言うと、どうやったらプロジェクトが成功するのかを考えて計画にしたものがプロジェクト計画書です。
どうやったらプロジェクトが成功するのかというのは難しい問題ですが、 逆に、なぜプロジェクトが失敗するのかを考えるとよいと思います。
プロジェクトが失敗する要因を発生させないようにするために作成するのが、プロジェクト計画書です。 したがって、マニュアル通りに項目を並べて内容を埋めれば完成というのではなく、実施するプロジェクトの特性を考えながら内容を作成することが必要になります。
プロジェクトの失敗要因
プロジェクトの失敗要因の分析結果の1つから、失敗に至る要因をリストアップしてみましたので、参考にしてみてください。
ベンダー側の要因
- 技術的能力不足
- メンバー間の人間関係が悪い(信頼性の欠如)
- コミュニケーション問題(欠如、過度)
- 経験知の欠如
- プロジェクトマネージャの能力不足
- プロジェクトマネージャのリーダシップ欠如
- 絶対要員不足(特にピーク時)
- ユーザの無理な要求を拒否できない
- 組織・業務をソフトに合わせることは一切不可能
- 要求仕様の絞込みがあまい
ユーザー側の要因
- 見積もりの誤算
- 業務内容の理解不足
- 外部からのノイズ
- 目的があいまい
- 要求定義の要求根拠が不明確
- 要求定義があいまい
- 見積もりの誤算
- 運用前期待に対する満足度が低い
- [1] 事例に基づくITプロジェクトの失敗要因の分析 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasi/24/0/24_0_72/_pdf/-char/ja
プロジェクト計画書に含める内容
プロジェクトには以下の知識エリアがあります。 これらを計画・コントロールする内容を作成します。
- スコープ
- タイム(スケジュール)
- コスト
- 品質
- 人的資源
- コミュニケーション
- リスク
- 調達
- ステークホルダー
プロジェクト計画書に含めない内容
私がPMとして教えられたことの中で一番心に残っているのは、プロジェクト管理では「管理可能」なものを管理するということです。 当たり前なことですが、細かすぎるWBSや実行できないルールは「管理可能」ではありません。 したがって、それらの計画は作成しないようにします。 あるいは誰か・どこかに委譲しましょう。
プロジェクト計画書の目次の例
以下に示すのは、1つの例です。プロジェクトの特性に合わせて適宜変えてください。
- プロジェクトの概要
- プロジェクトの目標
- 顧客
- 成果物
- プロジェクト開始予定日
- プロジェクト完了予定日
- 達成基準
- プロジェクトの背景
- プロジェクトの目的と妥当性
- プロジェクトの目的
- プロジェクトの妥当性
- 関連組織への影響
- プロジェクトの位置づけ
- プロジェクト要求事項
- 顧客要求事項
- ユースケース
- 差別化ポイント
- コンセプト
- 優先順位
- 要件の決定および変更
- 成果物に対する要求事項
- プロジェクトマネジメントドキュメント
- 会議ドキュメント
- 開発ドキュメント
- 開発するシステム
- 受け入れ基準
- 成果物の変更
- コミュニケーション計画
- 会議
- プロジェクト資源
- プロジェクト体制
- 関連部門
- 関連システム
- 使用するツール
- プロジェクトスケジュール
- WBS
- 前提条件
- 制約条件
- プロジェクトマネジメント方針
- 品質マネジメント方針
- コミュニケーションマネジメント方針
- リスクマネジメント方針
- 調達マネジメント方針